東日本大震災(4)

前回の続きです。
このエントリーは「東日本大震災」よりひと月後に編集しております。

■津波

テレビのニュースからはたいした続報もなかったのですが、ラジオからはそれなりに市内の様子が伝えられ始めました。とくに気になっていたのは沿岸での被害のニュースです。

ラジオを聞いた当初は、予想通りの広域での停電、そのほかライフラインはすべてストップな状態を伝えてました。そしてその中で津波の被害のニュースが入りました。
荒浜地区で2~300人の死体があがっているとの速報です。
「!?」

自分の耳を疑いました。荒浜といえば市内からはもっとも近い海水浴場がある場所で海辺とはいえ車で1時間ほどの場所です。確かに、あれだけの地震ですから津波の被害が発生したことは理解できますが、死者の数が尋常ではありません。

ニュースでも未確認と言っていたので何かの間違いなのでは?という思いのほうが強かったです。仮に事実だったとしても、浜辺にたまたま2~300人もの人がいたとでも?いや、そんなわけない。となると、住宅街に津波が来たと?
でも、あそこの浜辺は大量のテトラポットに防波堤、その次には防風林の松林が長く連なっていてとても津波が押し寄せるイメージがありません。
状況がわからないためかニュースはそれまでで市内の情報に戻ります。

それから私は日中、部屋の片付けをする際もラジオのニュースを聞きながら作業しました。津波のニュースは相変わらずで速報と同じ内容、そして未確認であることしか伝えられませんでした。

■復電

翌日土曜日の13日の午後、私の住んでいる地区の電気が復旧しました。
地震の規模からもう少し長期戦を予想してましたが以外と早い復旧でした。とはいえ、地震や雷などの災害で一晩以上停電になっていたなど、ちょっと経験したことがありませんでした。

電気が復旧すると水道ポンプが動きます。蛇口をひねると水が出ました。
そのときは水道はダメージを受けていないのだと思いました。私は父とマンション内の電気温水器を回り各部屋の温水器のスイッチを入れてまわりました。

テレビのニュースを見ると昨晩から少し状況が変わってきておりました。次第に各地の状況がわかるようになりました。
岩手南部の地域や気仙沼で「壊滅的な被害」とありました。私はまた自分の耳を疑います。
「壊滅的!?」

その地区の都市が「壊滅」という意味がわかりません。それまでも、自分の人生のなかで巨大地震のニュースを見たときに「壊滅」などという表現を聞いたことはありませんでした。
たとえば、あの阪神淡路大震災で地震直後のショッキングなニュースを見たときでも「街が壊滅」などという表現は聞いたこともありませんでした。
ところが次第に津波の映像がニュースに入るようになって衝撃をうけました。波にのまれる建物の映像。
多くの車やがれきが波で流されている様子。その中には自分の知っている場所も含まれています。
それまではニュースを見るまで多少懐疑的なところもあったのですが、改めてひどい被害が発生しているのだと認識しました。

-続く-

 

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