先日ネットを閲覧していたら、VAIOのWindows7アップグレード用キットが届いたという記事をちらほらと見かけるようになりました。
そういえば自分も申し込んでなかったな~、と思い優待アップグレードを申し込んでおきました。
そのアップグレードキットが先日届いたのでさっそくWindows7を導入することに。
ホントはもっと早くにRC版を導入してみるつもりだったのですが、チューニングしたVistaが予想外に使用に耐えていたのでめんどくさいこともあってなかなか導入せずにおりました。
リリースされたばかりのOSですが、別のパソコンでβ版を導入したときの感触はとくにVistaに劣るところもなかったので、比較的不安要素が少ないです。
導入するバージョンは「HomePremium」です。
Windows7にはいくつかのエディションが存在し、それぞれの備わっている機能が違います。
◆ Windows7のエディション
エディション | 主な機能 |
Starter | ネットブック向け、機能がかなり限定されている。パッケージ販売はない。 |
HomeBasic | Aeroなど一部機能が限定されている。安い。 |
HomePremium | 標準パッケージ。通常はこれを選択。Xp互換モードに対応してない |
Professional | 上級ユーザー向け。だいたいの機能を備えている。Xp互換モードあり。 |
Enterprise | Ultimateの企業向けライセンス。 |
Ultimate | 全ての機能をもつグレード。普通はいらない。値段も高い。 |
テキトーにまとめると上記のようになりますでしょうか。
通常はXp互換モードを使いたいかどうかでHomePremiumとProfessionalで迷うかな~、というところだと思います。
さてアップグレードディスクですからそのままアップグレード、と行きたいトコロですがWindowsの慣例とでもいいましょうか。
アップグレードでインストールすると前のOSの情報がなにかと問題を引き起こすので初期化してクリーンインストールすることにします。
幸いにしてアップグレードディスクがクリーンインストールにも対応しているようなのでこのあたりは問題無いのですが、ここからがVAIO特有の問題になります。
◆ VAIO用ユーティリティがリカバリー領域を必要とする問題
通常は「Windows+そのパソコン用のソフト類」という構成になると思います。
「そのパソコン用のソフト類」はドライバやユーティリティ類になるわけですがノートパソコンはとくにユーティリティも重要になってきます。
アップグレードキットにはWindows7対応のそれらソフトウェアが「サプリメントディスク」に同梱されてます。
しかしこのサプリメントディスク、導入先のマシンにリカバリー用のデータが存在しないと導入できない仕組みになっているようです。
SDDの容量節約のためにリカバリー領域を削除されている方も多いかと思いますがその場合、
①一度Vistaのリカバリーをおこなう
↓
②リカバリー領域を確保
↓
③Windows7の導入
↓
④サプリメントディスクの導入
と、手間が増えてしまいます。
問題が認識されているとたいてい解決方法を模索されている方もいるようで、ネットを検索すると対処方法がすぐに見つかります。
VAIOを購入状態から余計なアプリケーションを導入し直す手法が使えるようです。
◆ サプリメントディスクから必要なソフトウェアを抽出
サプリメントディスクから必要なソフトだけを個別にインストールすることで必要最小限の環境を構築できます。
TypePのような非力なマシンを快適に使うためには必須の作業と言えます。
ただし、ここでも問題点が。
サプリメントディスクはDVDで3枚組と非常に膨大です。
それもそのはず。
どうもここ最近の全てのVAIOのユーティリティが含まれているようです。
やっかいなのは抽出したソフト類のどれがTypeP用のものなのか判別困難だということです。
これは前述の「リカバリー領域を必要とする」という問題の原因にもなっているのですが、どうもサプリメントディスクを導入する際にリカバリー領域のソフト類と照らし合わせてインストールを行う仕組みのようですね。
PCに詳しくないユーザーに全自動でソフトを導入させるためには、至極まっとうな手順だと思いますが、全ての人が付属のユーティリティを欲しているワケではないので、なかなか難しいところであります。
ところが、世の中偉い人はいるもので、すでにどのソフトがTypePに適合するソフトなのか調べ上げた人がおります。
手順は後日記載するとして、紹介されている方法であらかじめアプリケーションを抽出しておきました。
ところが、それでもまだ大変な量でその数50以上・・・。
なんだか、この時点でリカバリー領域を復活させる手法より手間がかかってます。
もっとも、クリーンな環境を構築する上では必須な作業なので仕方ないのですが・・・。
◆ Windows7のインストール
TypePから必要な情報のバックアップをとったらいよいよWindows7のインストールです。
とはいえ、一度β版を試しているのでとくに真新しいことはありません。
TypeP起動時にBIOS画面に入っておき、外付けDVDドライブからブートできるように設定しておきます。
次にDVDドライブからWidows7をブート、インストーラーが起動します。
ここからWindows7のインストールです。
Xpなどに比べると設定項目が少なくシンプルでインストールも早いですが、Vistaのインストールも同じくらいシンプルだったのであまり代わり映えはしてないかもしれません。
程なくしてWindows7のデスクトップが起動します。
いくつかの設定項目を設定するとインストールが終了します。
Vistaもそうでしたがこの時点でほとんどのドライバが動作可能な状態です。
ネットワークが使える状態にあるので、とても便利ですね。
さて、ここからが問題のサプリメントディスクの中身の導入です。
50以上と、数もさることながらドライバの兼ね合いもあるので導入順序があります。
全て導入してしまっては意味がないので、必要なソフトだけ取捨選択しなくてはなりませんが、いかんせん名前だけではどのようなソフトか想像しにくいところです。
ネットの情報を頼りになんとなく導入してみましたが、途中軽くトラブルもありました。
バッテリー用のドライバ?らしきものを導入した時点で、警告ダイアログが出るようになりました。
バッテリーを正しく認識できない旨の内容でしたが、問題はそのダイアログが定期的にアクティブになることでした。
他のウィンドウにカーソルを合わせてもそのダイアログが数秒おきにアクティブになります。
しかもダイアログはOKボタンしかなく、それをクリックするとマシンがシャットダウンするという始末。
ちょっと困りましたが、バッテリーを一度外して起動→シャットダウンして再び装着、でダイアログがでなくなりました。
あとはトラブルらしいトラブルもなくだいたいのソフトを導入し終えとくに問題なく動作している様子です。
あとは常用ソフトをインストールして全ての作業は終了です。
◆ さてWindows7を使ってみて・・・
使用感としてはVistaとあまり印象が変わりません。
新仕様のタスクバーはやはりまだ慣れません。
新仕様のタスクバーはいわゆる「クイック起動」のショートカットアイコンと起動中のアプリのタスクが統合されたような状態になってます。
つまり、クイック起動のアイコンは普段からそこに鎮座し、そのアプリを起動したらそのアイコンがそのままタスクを表します。
クイック起動に登録していないアプリはいままでどおりタスクに現れて、終了すれば消えます。
ただ、タスクが今までのような「アイコン+タイトルバーの内容」ではなくアイコンのみになりました。
複数起動しても一つのアイコンにまとめられているため、それぞれのタスクを選択するのに操作が2ステップになってしまいあまり印象がよろしくありません。
この辺はたぶん効率のいい作法がほかにあるかもしれないので模索していくしかないでしょうか。
あとはVistaで刷新されたファイルエクスプローラでしょうか。
インターフェースの情報が増えている一方でドキュメント類のフォルダが「マイピクチャ」や「マイミュージック」などわかりやすい名前のフォルダにリダイレクトされています。
わかりやすいのはいいのですが、リダイレクトされたフォルダ構成のために実際のフォルダ構成が把握しづらく、データの管理がむしろ面倒に感じます。
用意された器で全ての作業が完結すれば別に実際のフォルダ構成を把握しなくてもOSにお任せでいいのかもしれませんが、職業柄用意された器にすべてが収まりきらないので、このあたりはもう少しなんとかならないですかね・・・。
と、不満に感じるところがある一方でインターフェースは結構洗練されていると思います。
とくにヘルプなどはXpから比べるとかなり実用的になったと思います。
もっとも、このあたりはすでにVistaでも実装されていましたが、やはり全体の処理レスポンスが向上してるので、そのあたりの影響が大きいかと思われます。
画面もグラフィカルになって野暮ったさも幾分解消されています。
ただし、このあたりはあまり非力なPCでは恩恵を受けられませんね・・・。
ただ、これらの利点はたとえばMacなどに比べるとやはりどれも見劣りするレベルです。
ようやくWindowsもこのあたりを気にするようになってきたか、という段階でしょうか。
とくにグラフィックの部分はせっかく見た目をグラフィカルに処理しても処理と処理の合間がよろしくない。
せっかく、ウィンドウをスムースに拡縮したりデスクトップを半透明にしたりフェードさせても切り替わりの瞬間にちらっと、通常の状態が映ったりするとかなり興ざめです。
ハードウェアのパフォーマンスにも依存するのでハードを一元管理しているAppleのOSなんかと同列で比較するのはかわいそうなハナシなのですが、見た目の印象はFedoraやUbntuなどLinux系のほうが優秀な面もあるので、Microsoftにはもう少しがんばってもらいたいところですね。
ともあれ、いつまでもXpを使い続けるわけにもいかないので、TypePである程度Windows7の動作を検証したらデスクトップのほうも導入してみましょうか・・・。